中小企業倒産防止共済の損金算入掛金の拡大
(1)中小企業倒産防止共済とは
中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)は、取引先が倒産したときに貸付を受けられる制度で、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。
貸付限度額は、改正により3200万円から8000万円に引き上げられます。
(2)掛金は全額損金算入可能で解約すれば解約手当金が戻ります
税務上、掛金については、拠出時に全額損金または必要経費に算入できます。
さらに、解約は自由で、納付月数12ヶ月以上なら80%、40ヶ月以上なら100%戻ってきます。解約手当金は法人なら益金、個人事業なら雑収入となります。
(3)改正により月額掛金の上限が8万円から20万円に
平成22年度税制改正、中小企業倒産防止共済法の改正により、この月額掛金が8万円から20万円に拡大されます。ただし、掛金総額の上限は800万円です(従来は320万円)。
これまでは、掛金の金額と知名度の低さからあまり利用されていませんでしたが、月額20万円、年間で240万円を損金として計上できるとなると話は別です。
毎月20万円で40ヶ月で掛金上限の800万円まで積立できます。しかも解約時期は自由で必要なときに解約すれば100%戻ります。全額損金算入可能な積立預金のようなものです。
今後の中小企業の節税においては、まずこの倒産防止共済への加入が検討されることになるでしょう。