名義変更手続き
遺産分割が決定しましたら、遺産分割協議書を作成し、被相続人名義になっている遺産を相続人名義に変更します。名義変更手続きの期限はありませんが、名義変更をしないと、遺産を売却することもできませんので早めに済ませておく方がよいでしょう。
不動産
不動産は、相続を登記原因とする「所有権移転登記」を不動産所在地の管轄法務局(登記所)に申請して名義を変更します。 登記申請には、次のような書類が必要となります。この手続きは、ご自身ですることもできますが、複雑ですので、登記の専門家である司法書士に依頼することをおすすめします。
登記申請書
被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍及び住民票除票
相続人全員の戸籍謄本
相続人全員の住民票(本籍地記載のあるもの )
相続人全員の印鑑証明書
固定資産税評価証明書
遺産分割協議書
不動産の登記簿謄本または権利証
預貯金
預貯金の名義変更手続きには、次のような書類が必要となります。金融機関によって異なることもありますので、前もって確認しておきましょう。
金融機関所定の用紙
被相続人の戸(除)籍謄本
相続人全員の戸籍謄本
相続人全員の印鑑証明書
遺産分割協議書
なお、貸金庫がある場合には、貸金庫は名義変更ではなく、解約の手続きをすることになりますが、その場合にも上記にも上記と同様の書類を用意することになります。
上場株式
上場株式は、名義変更代理人である信託銀行等を通して株主名義の変更手続きをします。その手続きには次のような書類が必要となります。
信託銀行等所定の株式名義書換請求書
被相続人の戸(除)籍謄本
相続人全員の戸籍謄本
相続人全員の印鑑証明書
信託銀行等所定の共同相続人同意書または遺産分割協議書
株券
生命保険解約
被相続人が生命保険契約の契約者になっている保険事由の発生していない生命保険契約がある場合には、契約者の変更手続きをする必要があります。必要書類としては、次のようなものがあります。
生命保険会社等所定の名義変更請求書
保険証券
被相続人の戸(除)籍謄本
相続人の印鑑証明書
損害保険契約
被相続人が火災保険契約等の契約者になっている損害保険契約がある場合には、契約者の変更手続きをする必要があります。必要書類としては、次のようなものがあります。
損害保険会社等所定の権利継承承認請求書等
保険証券
被相続人の戸(除)籍謄本
相続人の印鑑証明書
その他
電気料金等については、営業所に電話連絡をするだけで変更できますが、その他のものについては、手続き先に必要書類を確認してください。
遺産 | 手続き先 |
---|---|
電話加入権 | 電話局 |
自動車 | 陸運事務所 |
ゴルフ会員権 | ゴルフクラブ |
電気・ガス・水道・NHK受信料 | 各営業所 |
相続人が外国に住んでいる場合
最近は、相続人が外国に住んでいることもよくあります。その場合には、居住地の大使館や領事館で「印鑑証明書」の代わりに「署名(およびぼ印)証明書」を、「住民票」の代わりに「在留証明書」と交付してもらいます。