従業員に支払う給与・賞与の準確定申告時の取扱い
死亡した人の事業所得の金額は、その年の1月1日から死亡した日までの間の総収入金額から必要経費の金額を差し引いて計算します。その場合の必要経費の金額からは、債務の確定していないものは除かれます。
債務の確定とは、原則として、
① 死亡時までにその費用にかかる債務が成立していること
② 死亡時までにその債務に基づいて具体的な給付をなすべき事実が発生していること
③ 死亡時までにその金額を合理的に算定できるものであること
の要件のすべてを満たすことが必要です。
給与
従業員給与については、1月1日から被相続人の死亡日までの期間に対応する給与を準確定申告で必要経費に算入します。また被相続人の死亡日の翌日から12月31日までの期間に対応する従業員給与については、相続人の事業所得の必要経費に算入します。
賞与
賞与は支給日現在在籍している人に支給されます。したがって、支給日より前に被相続人が亡くなっている場合には、上記の債務の確定要件を満たしていませんので、準確定申告で必要経費とすることはできません。この場合、事業を承継した相続人の事業所得の計算上、必要経費に算入することになります。