遺産分割の方法
相続が発生すると、遺産分割協議により誰が何を相続するかを決定しますが、その分割の方法には次のような方法があります。
現物分割
遺産をそのまま現物で、相続人ごとに分ける方法で、遺産分割の一般的な方法です。 具体的には、「この土地はAに、この預金はBに・・・」というように分割する方法です。
代償分割
相続人の一人が、遺産を所得した代償として、他の相続人には、金銭その他の財産を与える方法です。 例えば、遺産が不動産しかない場合、長男が不動産を相続し、他の相続人にはその代償として金銭で支払うという方法です。
換価分割
遺産を売却して換金し、その換金した金銭を相続人で分ける分割方法です。 例えば、相続人全員が相続を希望しない土地があった場合、その土地を譲渡して、譲渡代金をわける方法です。 なお、土地を譲渡した場合には。相続人全員に譲渡所得税が発生します。
共有分割
一つの遺産を、2人以上の相続人の共有持分で所有する分割方法です 。例えば一つの土地をAが5分の3、Bが5分の2というように、持分の割合で共有する方法です。
なお、遺産分割についての期限はありませんが、相続税の申告期限までに遺産が分割されていないと、相続税の計算上「小規模宅地等の課税価格の計算特例制度」や「配偶者の税額軽減制度」等が受けられず、納税者に不利になりますので、遺産分割協議は早めに成立させるようにしてください。
ただし、相続税の申告期限までに遺産が分割されていない場合でも、「申告期限後3年以内の分割見込書」を相続税の申告書に添付して提出し、申告期限後3年以内に分割された場合(3年以内に分割できないことについてやむを得ない事情がある場合には、所轄税務署長の承認をうけて、さらに分割期限を延長することができます)には、「小規模宅地等の課税価格の計算特例制度」や「配偶者の税額軽減制度」の適用を受けることができます。