「生産性向上設備投資促進税制」の期限どおりの縮減・廃止|平成28年度税制改正解説
平成28年度税制改正では、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考え方のもと、平成27年度に着手した成長志向に重点を置いた法人税改革の最終目標でもある法人実効税率を20%台まで引き下げることを改革2年目にして実現する運びとなりました。
一方で、平成26年度税制改正で創設された「生産性向上設備投資促進税制」については、「課税ベース拡大」のため、
- 平成28年度: 期限どおり縮減(即時償却→50%特別償却など)
- 平成29年度: 期限どおり廃止
されることが、平成28年度税制改正法において明確化されることとなりました。
平成28年3月31日まで | 平成29年3月31日まで | |
---|---|---|
機械装置など | 即時償却 or 5%税額控除 | 50%特別償却 or 4%税額控除 |
建物・構築物 | 即時償却 or 3%税額控除 | 25%特別償却 or 2%税額控除 |
生産性向上設備投資促進税制については、中小企業者等に対する上乗せ措置を含め、
をご参照ください。
中小企業者等に対する上乗せ措置との関係
中小企業者等については、中小企業投資促進税制の上乗せ措置を利用すれば、機械装置などについては、平成28年4月以降でも平成29年3月までは、全額の償却(即時償却)が可能です。
平成28年3月31日まで | 平成29年3月31日まで | |
---|---|---|
中小企業投資促進税制の上乗せ措置 | 即時償却 | 即時償却 |
中小企業投資促進税制 | 特別償却30% | 特別償却30% |
合計償却率 | 100% | 100% |
※生産性向上設備投資促進税制は平成28年4月1日から措置の内容が変更されますが、中小企業投資促進税制については、通常措置(30%特別償却又は7%税額控除)・上乗せ措置(即時償却又は最大10%税額控除)とも、適用期限(平成29年3月31日)まで、措置の内容に変更はありません。
(平成28年度税制改正大綱抜粋)
生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(生産性向上設備投資促進税制)は、適用期限をもって廃止することとし、関係規定を削除する(所得税についても同様とする。)。
(注1)普通償却限度額との合計でその取得価額までの特別償却ができる措置(即時償却)及び税額控除率の上乗せ措置は、平成 28 年3月 31 日とされている適用期限を延長しない。
(注2)上記の関係規定の削除は、平成 29 年4月1日から施行する。
(参考)自民党ホームページ : 平成28年度税制改正大綱