不動産賃貸業でも小規模企業共済で所得税&相続税を節税

不動産賃貸業でも小規模企業共済で所得税&相続税を節税

小規模企業共済制度とは?

小規模企業共済制度は、個人事業をやめられたとき、会社等の役員を退職したとき、個人事業の廃業などにより共同経営者を退任したときなどの生活資金等をあらかじめ積み立てておくための共済制度です。小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

不動産賃貸業を営む個人でも加入可能

不動産賃貸業を営む方は、個人事業主となりますので、この小規模企業共済制度に加入できます。ただし、サラリーマンの方は加入資格がないため、個人事業主として不動産業を兼業していても加入できませんのでご注意ください。

所得税と相続税のダブル節税が可能

不動産賃貸業の個人事業主として、この小規模企業共済制度に加入した場合、次のような節税効果があります。

 所得税の節税効果

払い込んだ掛金は、全額が所得控除の対象となります。掛金は月額1,000円から7万円の範囲(500円単位)で自由に設定でき、仮に最大の7万円の場合は、年間84万円の所得控除が受けられます。

 相続税の節税効果

共済契約者が亡くなったために遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金)、相続税法上はみなし相続財産として課税対象となりますが、500万円×法定相続人の金額まで非課税となります。不動産賃貸業を個人事業として営みながら、死亡退職金として相続税の非課税枠を使用できるのが、この小規模企業共済制度のメリットです。

 最大節税額

年間最大の84万円の掛金で20年間加入した場合、掛金合計は84万円×20年=1680万円に対し、死亡退職金は1950万円(2014年7月加入の場合)受け取れ、相続税の納税資金としても利用できます。

この場合、

所得税・住民税の最大節税額は、毎年84万円の所得控除が20年間とれ、所得税+住民税の最高税率55%で、84万円×20年×55%=924万円

相続税の最大節税額は、法定相続人が3人の場合、相続税の死亡退職金非課税枠は500万円×3人=1500万となり、相続税の最高税率55%で、500万円×3人×55%=825万円

となります。

節税額は、所得金額や相続財産によって異なりますが、加入しておいて損はない制度です。

(参考)
 独立行政法人中小企業基盤整備機構ホームページ : 小規模企業共済制度
 上記ホームページにて加入シミュレーションもご利用できます。
 生計を一にしている配偶者などの青色事業専従者も、一定の要件を満たせば、「共同経営者」として共済制度に加入可能です。