同族会社オーナーのマンション所有形態
(1)「個人所有」と「法人所有」どちらが有利?
同族会社のオーナーがマンションを購入される場合には、「個人所有」と「法人所有」の選択肢があります。
では、どちらが有利なのでしょう?
有利不利の判断には、所有時と売却時のメリット・デメリットを検討する必要があります。
(2)所有時のメリット・デメリット
まず所有時ですが、「個人所有」の場合には「住宅ローン控除」の適用があります。
18年中に購入した場合、ローン残高の1%(1~7年目)または0.5%(8~10年目)を10年間税額控除可能です。
また住宅ローンの借入期間は最長35年まで設定可能です。
一方、「法人所有」でマンションをした場合、会社所有の役員住宅をオーナーが税法基準で安く借りることができます。
さらに法人では、マンションの減価償却費や固定資産税、借入金利息等を経費計上できるので、法人税が節税できます。ずっと所有するのであれば、節税額は個人所有より大きくなります。
ただし、法人が借入金で購入する場合の返済期間は個人住宅ローンに比べて短期間になりますので資金繰りが悪化する恐れがあります。
(3)売却時のメリット・デメリット
ここまでですと、「法人所有」が有利にみえます。
しかし、売却まで視野に入れた場合には一概にそうでない場合があります。
恐ろしいのはマンションが値上がりしたので売却する場合です。
「値下がり」したときに売却する場合には、「法人所有」なら売却損を計上できますので節税となります。「個人所有」の場合には、例外はありますが原則切捨てです。
しかし、「値上がり」したので売却する場合には、「個人所有」であれば、マイホームの3000万円特別控除の特例があります。「法人所有」の場合にはこのような特例の適用はありませんのでまるまる利益となってしまいます。注意が必要です。