消費税率改正Q&A(電気料金等の税率等に関する経過措置)
(電気料金等の税率等に関する経過措置の概要)
問1 電気料金等の税率等に関する経過措置の概要を教えてください。
【答】
事業者が継続的に供給し、又は提供することを約する契約に基づき、施行日前から継続して供給し、又は提供される電気、ガス、水道水及び電気通信役務で、施行日から平成26年4月30日までの間に料金の支払を受ける権利が確定するもの(平成26年4月30日後に初めて料金の支払を受ける権利が確定するものにあっては当該確定したもののうち一定部分に限ります。)については、旧税率が適用されます(改正法附則5②)。
この経過措置の対象となるのは、次に掲げる課税資産の譲渡等のうち、検針その他これに類する行為に基づき料金の支払を受ける権利が確定するものです(改正令附則4②)。
① 電気の供給
② ガスの供給
③ 水道水又は工業用水の供給及び下水道を使用させる行為
④ 電気通信役務の提供
⑤ 熱供給及び温泉の供給
(「継続的に供給等することを約する契約」の意義)
問2 「継続的に供給し、又は提供することを約する契約」とは、具体的にどのようなものをいうのですか。
【答】
事業者が継続的に供給し、又は提供することを約する契約に基づき、施行日前から継続して供給し、又は提供される電気、ガス、水道水及び電気通信役務で、施行日から平成26年4月30日までの間に料金の支払を受ける権利が確定するもの(平成26年4月30日後に初めて料金の支払を受ける権利が確定するものにあっては当該確定したもののうち一定部分に限ります。)については、旧税率が適用されます(改正法附則5②)。
ここでいう「継続的に供給し、又は提供することを約する契約」とは、電気、ガス、水道水の供給等を不特定多数の者に対して継続して行うために定められた供給規定等に基づく条件により、長期間にわたって継続して供給することを約するものをいい、例えば、プロパンガスの供給契約でボンベに取り付けられた内容量メーターにより使用量を把握し料金が確定するものも含まれます(経過措置通達5)。
(「支払を受ける権利の確定」の意義)
問3 「料金の支払を受ける権利が確定するもの」とは、具体的にどのようなものをいうのですか。
【答】
事業者が継続的に供給し、又は提供することを約する契約に基づき、施行日前から継続して供給し、又は提供される電気、ガス、水道水及び電気通信役務で、施行日から平成26年4月30日までの間に料金の支払を受ける権利が確定するもの(平成26年4月30日後に初めて料金の支払を受ける権利が確定するものにあっては当該確定したもののうち一定部分に限ります。)については、旧税率が適用されます(改正法附則5②)。
ここでいう「料金の支払を受ける権利が確定するもの」とは、例えば、電気、ガス、水道水等の使用量を計量するために設けられた電力量計その他の計量器を定期的に検針その他これに類する行為により確認する方法により、一定期間における使用量を把握し、これに基づき料金が確定するものをいいます(経過措置通達6)
(携帯電話の料金)
問4 当社では、月々の携帯電話の料金について、基本料(定額)、付加機能使用料及び通話料(通話量に応じたもの)を合計して計算し、一括して利用者に請求しています。
このような場合にも、改正法附則第5条第2項《電気料金等の税率等に関する経過措置》に規定する経過措置の適用対象となりますか。
【答】
改正法附則第5条第2項《電気料金等の税率等に関する経過措置》に規定する経過措置の適用を受ける電気通信役務は、事業者が継続的に提供することを約する契約に基づき、施行日前から継続して提供し、かつ、施行日から平成26年4月30日までの間に、検針その他これに類する行為に基づきその役務の提供に係る料金の支払を受ける権利が確定するものです。
照会の、基本料、付加機能使用料及び通話料等を一括して利用者に請求する携帯電話(電気通信役務の提供)の料金は一定期間の通話量に応じて支払を受ける権利が確定するものですから、この経過措置の適用対象となります。
(定額通信料金)
問5 インターネット通信料金などで、月々の使用量に関係なく定額料金となっている場合、改正法附則第5条第2項《電気料金等の税率等に関する経過措置》に規定する経過措置の適用対象となりますか。
【答】
改正法附則第5条第2項《電気料金等の税率等に関する経過措置》に規定する経過措置の適用を受ける電気通信役務は、事業者が継続的に提供することを約する契約に基づき、施行日前から継続して提供し、かつ、施行日から平成26年4月30日までの間に、検針その他これに類する行為に基づきその役務の提供に係る料金の支払を受ける権利が確定するものです。
照会の通信料金は、使用量の多寡にかかわらず毎月、一定額を支払うものであり、検針等により料金の支払を受ける権利が確定するものではないことから、この経過措置の適用対象となりません(経過措置通達7)。
なお、電気通信役務の料金設定が多段階定額制となっている場合、例えば、「使用量Aまでは○○円、使用量Aを超えた場合には××円とする。」といった場合には、その使用量に応じて料金の支払を受ける権利が確定することになりますから、この経過措置の適用対象となります。
(平成26年4月30日後に初めて料金の支払を受ける権利が確定する場合)
問6 当市では、水道料金の確定に当たって、2か月に1回検針を行っていますが、例えば、平成26年3月26日(前回検針日)後の使用量について平成26年5月26日に検針し、使用量及びそれに応じた水道料金が確定した場合、改正法附則第5条第2項《電気料金等の税率等に関する経過措置》に規定する経過措置の適用関係はどのようになりますか。
【答】
事業者が継続的に供給し、又は提供することを約する契約に基づき、施行日前から継続して供給し、又は提供される電気、ガス、水道水及び電気通信役務で、平成26年4月30日後に初めて料金の支払を受ける権利が確定するものにあっては、当該確定した料金のうち、次の算式により算出した部分について旧税率が適用されます(改正法附則5②、改正令附則4③④)。
したがって、照会の場合、平成26年5月26日の検針により確定した料金を、「前回確定日(平成26年3月26日)の翌日から起算して施行日以後初めて料金の支払を受ける権利が確定する日(平成26年5月26日)までの期間の月数(2月)」で除し、これに、「前回確定日の翌日から起算して平成26年4月30日までの期間の月数(2月)」を乗じて計算した金額に係る部分、すなわち、平成26年5月26日の検針により確定した料金の全額について、旧税率が適用されることとなります。
(参考)
国税庁・財務省ホームページ:
平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成24年法律第68号)
消費税法施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第56号)
消費税法基本通達(平成7年12月25日付課消2-25ほか4課共同「消費税法基本通達の制定について」通達の別冊)
平成25年3月25日付課消1-9ほか4課共同「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて」(法令解釈通達)